このコンビ・トリオを語れ!(会話・シナリオネタバレ)



最初に

逆転裁判においてのコンビ・トリオの私的見所を説明します。が、性質上、会話・シナリオのネタバレが出てきます。
犯人やトリック、真相にはできるだけ触れないつもりですが、良く読むとわかるかもしれないので、未プレイの方はできるだけ避けてください。
また、会話はウロ覚えの書き写しですので、違っているかもしれません。





1 成歩堂(つっこみ)と真宵(ボケ)

「なるほどくん、パワー弱いよ。シャワー」
「じゃあ、そうだなあ。消防署に行って、ホースで思いっきりぶっかけてもらったら?」
「うん、そうする」


成歩堂は役柄からも完全につっこみ男。周りの強烈なキャラクターに押されまくりですが、ボケにつっこみは必須!彼がいないと会話パートはなりたちません!
中でも基本的に探偵パートはこの二人の会話が中心になっているので、必然的にこのコンビの会話が一番多いということになるでしょう。
天然ボケでどこかナチュラルにずれている真宵ちゃんと、もはや慣れてしまって受け流すようになったなるほどくんの会話は、ちょっとしたおかしさとほのぼの感が良いです。私のお気に入りは逆転裁判1の4話冒頭部分。
2からは春美ちゃんも入ってきて三人の会話も増えますが、やっぱり助手は真宵ちゃんがいいなあ。大笑いはないけれども、真宵ちゃんの世間知らずっぷりとなるほどくんのつっこみが、自然でいい。法廷ではたまにボケとつっこみが逆転するけれども…1では真宵ちゃん、結構いいカンしてるしなあ。
元々二人は、千尋さんの事件で出会い、千尋さんの変わりに真宵ちゃんが転がり込む形で親しくなり、そして、一緒に過ごしていくうちに二人の間に信頼が…家族のような、かけがえのない相手になっていったわけです。ただ、はみちゃんが言うように恋愛関係になるかどうかは不明ですけどね。

(きみがくれる証拠は、いつだって最強の切り札だった)

逆転裁判2の最終話、誘拐された真宵ちゃんを必死になって助けようとする成歩堂、そして自分はいいから正義を追及してくれ、と手紙を残す真宵。まさしく王道の展開ですが、じーんときました。真宵ちゃんはトコトンなるほどくんを信じているのだなあ、と。

基本的に二人の会話は、世界観の説明、人物の説明、事件の説明、推理の整理、そして法廷のアドバイス、などシステム面に関する説明ゼリフが中心になります。まあ、この二人は会話が一番多いので、一々大笑いして椅子から転げ落ちていたら身がもたないのでこのくらいで丁度でしょう(オイ)。



2 成歩堂(つっこみ)と御剣(ボケ)

「こんな私を見て、笑いに来たのか!・・・・笑いたければ、笑うがいい。どうした!さあ、笑えよ!」
「なるほどくん。・・・・わ、笑った方がいいのかな?」
「こいつ、スナオじゃないからな。笑ったら、怒り狂うか泣きだすぞ。御剣・・・・笑いにくるほどヒマじゃないよ」
「・・・・ヒマなくせに」


真面目が故にボケが映える御剣と、追い込まれながらつっこみを入れる成歩堂。法廷での二人のやりとりはほとんどが証人を間においての推理ゲームですが、その節々に織り込まれる…妙な会話。御剣のおかしな台詞や大仰な態度に、成歩堂が心の中や口に出してつっこむのが基本。その言葉は主にプレイヤーの代弁…(笑)。
特に2では、お互いに時間稼ぎで先が見えないため、成歩堂も御剣もどんどん壊れていくのでおかしさ倍増。

「一考の価値ある問題と言えるかもしれない」
(重要ですって言えよ!)


「そうですよねえ」
「なな、なぜそこで考えこむ!」


法廷外では、元々友人ということもあって、お互いに容赦のない言葉が聞けます。いや、どっちかというと2以降は、御剣の言葉の方が容赦ないか。特に3では。
でも考えてみたら1年足らずの友人なのですよ。それなのにわざわざ御剣の疑惑を確かめるために弁護士になってしまったという、ある意味思い込みの激しいなるほどくん(私の立場は…)。
2でなるほどくんが怒っているのは、DL6号の真実をつかんで、犯罪者を憎みカンペキにこだわることもなくなったのに、御剣が悩んで姿を消してしまったからでしょうか。やっぱり「勝利」にこだわっていたのか!という落胆を覚えたのかもしれませんね。男の友情は熱いがゆえに、行き違いでぽっきりいってしまったら修復不可能…という例はいくつか見てきましたし。
…単に本当のことを詳しく2で言うと1のネタがバレてしまうだけかもしれませんが。1を作ったときは2の予定はなかったせいか…整合性がどうも。どっちにしろ、この二人の行動と心情と時間関連性には謎と矛盾が多いです。気にしだすとキリがないのでやめておきますか。
どっちにしろ、お互いを良く理解したいい友人であることは確かでしょう。タッグを組んだら最強ということは証明されてますしね。1の最終話でなるほどくんに救われて、御剣もトラウマから解放されて新しい人生が開けたわけですし、2の最終話で御剣がいなかったら、話は悲劇一直線だったでしょうし。ある種、運命的な出会いなのでしょう。この二人は。
こういう友人というのはほんと、あらまほしき(あって欲しい)ものです。


3 成歩堂(つっこみ)と御剣(両方)と矢張(ボケ)

「感動的なまでのお人よし、といったところだろうか」
「とんだお調子モノ、とも言えるよナ!」
「し、死刑だ!コイツを死刑にしてくれエッ!」


一方、古い友人というのはよいものだなあ…なんて、絶対しみじみ言えないのがこの三人。
なるほどくんが人生を変えられるほど感動した事件の真相は、アレ、だし。
矢張が証人に立つ度に、何が出るかわからなくて戦々恐々とさせられるし。
昔のことは暴露されるしすぐに「死んでやるぅ!」と言うし話は意味なく脱線するし事件はややこしくなるし…。

「矢張なだけに何が飛び出すかわからなくてこわい」
(こ、これだから・・・・・古い友人はヤッカイなのだ・・・・)

と二人も言っております。3の法廷パートでは御剣のまさに身を切るようなヒドイ台詞が矢張に飛ばされていたり。が、矢張はあまりダメージを受けてないような。
でもなんだかんだ言って決して矢張を見捨てない二人。矢張も、御剣を助けるために証人席に飛び込んだり、成歩堂を助けるために素早く御剣に連絡を取るなど、信頼関係はがっちりきっちりとあるようです。
なんだかんだ言っていいトリオ、いい友人なのでしょう。なんだかんだがありすぎですが…。

「いいか、忘れるなよ、御剣ィ。ちゃーんと”ギャフン”て言えよなッ!」
(・・・・この時点ですでに”ギャフン”なのだが・・・・)




4 御剣(ボケ)と冥(ボケ)

「本当は待っていたのかもしれない。御剣 怜侍!・・・・あなたを打ち負かす、このチャンスを!」
「・・・・フッ」
「こ・・・・この異様なフンイキ。私はどうかと思いますな」


2で真宵ちゃんが、「なるほどくんのライバルと言えば御剣検事」と言っていますが、どちらかというと、「ライバル」と言う言葉はなるほどくんと御剣には合わないような。だいたいまともに戦ったのって全13話中3回だけだし…どっちかが強烈に相手をライバル視しているわけでもない。2以降はむしろ協力関係?
一方、妙にオーバーな仕草と台詞で挑戦的に言葉を叩きつける冥と、それをスカした仕草で苦笑しつつ受け流す御剣…まさに「一昔前の正統派ライバル関係」な雰囲気なのはこちら。
似たもの同士。いつもニラみ目なところも、いつも喧嘩腰で見下してくるところも、オーバーリアクションも、芝居がかった台詞回しも、プライドが高いところも、似ている。考えてみたら、なるほどくんとのつきあいより冥とのつきあいの方が絶対的に長いんだろうなあ、同じ師匠だし。
私的に一番笑えるコンビ。冥はどうもピンでは笑いのパンチが少ないのですが、同じタイプのマジボケ御剣と組むとボケの相互増幅作用が働くのか…御剣との会話は致命的に面白い(日本語が変)。
なるほどくんでは思わずつっこみを入れてくれるような非常識(笑)な状況、台詞でも、当然のようにスルーして話はどんどん続いていってっちゃうし。
正確には、「会話のみ」ではなく、その会話でそのリアクションかよ!その台詞をスルーかよ!というリアクション込みで笑える。
良く知っている仲の人間特有の当てこすりをスルーし合いながら、がっちり睨み合ってボケvsボケツッコミの誰かつっこんであげて!なスキのないボケぶりを二人で発揮。真面目な顔で法廷であの会話はやめて欲しい。笑い過ぎて椅子から落ちるから。
真面目な人間のマジボケが大好物の私にとって、この二人の3の法廷は最高に笑えました。あ〜笑った笑った。笑った会話が一杯ありすぎて書けません。


5 成歩堂(つっこみ)と冥(ボケ)

「このムチが黙っていないわ」
(ムチでなくクチでものを言え!)

考えてみれば御剣への復讐のために一方的に挑戦されてムチでしばかれて勝ったらライバル認定されて…となるほどくんにとっては踏んだり蹴ったりかもしれません。すぐムチが飛ぶし。
基本的に冥の傍若無人なぶっとんだ行動・言動(ムチとかムチとかムチとか…)に対してなるほどくんがつっこみを入れるという形になります。
ボケとつっこみで笑いを取る、というより、冥のぶっとんだ行動に先につっこみを入れておく、というような雰囲気。つっこむとすぐにムチを食らうので、なるほどくん腰がひけてます…特に法廷外では。御剣のように堂々と挑戦を受ける、というのではなく、つっこみで返してしまうのが、つっこみ属性たる彼の宿命か…そしてムチをくらう、と。
3では最終話の探偵パートで一緒に行動していましたが…冥ちゃんのおかしな行動につっこんではムチでぶたれるパターン。ちなみに彼女はムチで叩く相手は選んでいるらしく(ゴドーはたたかなくてもサイバンチョを叩くところを見ると基準はわかりにくいが)、八つ当たりもしくは相手を叩けない時は周りに被害を及ぼすようです。一番の被害者はイトノコさんだが、なるほどくんもまた、よく被害に合う(笑)。


6 成歩堂(ボケ)と千尋(つっこみ)

「よかった、千尋さんは僕を見守ってくれているぞ」
「冷ややかな目で」


主人公にして最強のつっこみ男の成歩堂を唯一ボケ役にしてくれるお師匠。
主に法廷パートのみでしか聞けない二人の会話ですが、ヒントをくれるという千尋さんの機能により、自然となるほどくんがボケたところにつっこみを入れる、という役割分担になっています。
選択肢を間違った時の反応は冷ややかでイタイですお師匠様(笑)。敵の御剣や冥の反応はともかく、味方のはずの千尋さんにそんな冷ややかな反応されると悲しいですお師匠様(涙)。


7 イトノコ(ボケ)と検事陣(?)

「これでわかったでしょう?成歩堂 龍一・・・・あのヒゲから、目をはなしてはイケナイ、と!」

1では法廷でボケては御剣と狩魔豪に叱られ、ミスを押し付けられて給料を引かれ、と踏んだり蹴ったり。
2では法廷でボケては冥にムチでたたかれ、ミスをしてはムチでたたかれ、情報を漏洩してはムチでたたかれ…。と踏んだり蹴ったりぶたれたり。3ではねぎらいのムチをいただく始末。
しかし、イトノコ刑事にとっては、それはたいしたことではないのかもしれません。御剣との間にはちゃんと信頼関係が築かれているし、冥のこともちゃんと受け入れて心配までしている。寛容なのか細かいことは気にしない性質なのか…どっちにしろ、バシバシ叱りながらも、彼の存在は検事陣にとって重要なものなのでしょう。
しかし、冥に発信機をつけられるに至ったいきさつはちょっと気になるなあ…一体何をそれほどポカやったのだろうか。想像は…つくようなつかないような怖いような。






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